背景: 犬アトピー性皮膚炎(CAD)は、しばしばDermatophagoides farinaeが原因となる掻痒性アレルギー性皮膚疾患である。 D. farinaeに対する感作プロファイルの違いは、人と犬の間で報告されている。しかしながら、アレルギー犬は伝統的にヒト免疫療法を目的とした抽出物で治療されてきた。 仮説/目的: 本研究の目的は、犬の主要アレルゲンが豊富な獣医療向け特定アレルゲン免疫療法を開発し、in vitro効果を実証することであった。 供試動物: 臨床的にCADと診断された20頭の私有犬および3頭の健常犬。 材料と方法: 獣医療向けD. farinaeアレルゲン抽出物を製造し、ヒト免疫療法に使用されるD. farinae抽出物と比較して特徴付けられた。タンパク質プロファイルをSDS-PAGEおよびサイズ排除クロマトグラフィー法で分析し、Der f 15およびDer f 18アレルゲンを質量分析法で定量した。アレルゲンプロファイルは、イムノブロット法および酵素結合免疫吸着アッセイ阻害アッセイ法による生物学的効力によって研究された。末梢血単核球によるサイトカイン産生[インターロイキン(IL)-10、インターフェロン(IFN)-Ɣ]を誘導する抽出物の能力も評価された。 結果: 獣医療向け抽出物は高分子量タンパク質の含有量が高く、アトピー犬の血清によって優先的に認識された。ヒト抽出物に対するDer f 15およびDer f 18の倍率増加は、それぞれ2.07±0.32および1.63±0.15であった。獣医診療向け抽出物は、ヒト抽出物と比較してより高い生物学的効力(犬血清の50%阻害に必要な0.062 µg対0.132 µg)を示し、ネガティブコントロールと比較して有意に高いIL-10(1780 pg / mL)およびIFN-γ(50.4 pg / mL)を誘導した。 結論と臨床的重要性: 犬の主要アレルゲン含有量が高い獣医療向けD. farinae抽出物が開発され、in vitroでの有効性が免疫学的パラメーターによって実証された。.
|