@Toyofumi Fujiwara:00289 JSONTXT

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    Nanbyo-330-20171127

    {"project":"Nanbyo-330-20171127","denotations":[{"id":"T1","span":{"begin":236,"end":238},"obj":" HP:0002027"},{"id":"T2","span":{"begin":239,"end":241},"obj":" HP:0002014"},{"id":"T3","span":{"begin":849,"end":851},"obj":" HP:0002014"},{"id":"T4","span":{"begin":847,"end":849},"obj":" HP:0011132"},{"id":"T5","span":{"begin":847,"end":851},"obj":" HP:0002028"},{"id":"T6","span":{"begin":957,"end":961},"obj":" HP:0004325"},{"id":"T7","span":{"begin":1015,"end":1017},"obj":" HP:0000969"},{"id":"T8","span":{"begin":1137,"end":1139},"obj":" HP:0000969"},{"id":"T9","span":{"begin":1164,"end":1166},"obj":" HP:0000969"},{"id":"T10","span":{"begin":1062,"end":1065},"obj":" HP:0010566"}],"text":"289 クロンカイト・カナダ症候群\n○ 概要\n\n1.概要 \nクロンカイト・カナダ(Cronkhite-canada)症候群は、消化管(特に胃・大腸)に多数の非腫瘍性ポリープが発生する非遺伝性疾患である。皮膚症状(脱毛・爪甲萎縮・皮膚色素沈着)を伴う特徴がある。消化吸収不良や蛋白漏出性胃腸症を高率に伴う。中高年の男性に多い。世界的に希少な疾患であるが、本邦での報告は比較的多い。\n\n2.原因 \n 原因は不明であるが、強いストレスの後に発症することがある。\n\n3.症状 \n 腹痛・下痢・食欲低下などの消化器症状を呈する。爪の萎縮、全身の脱毛、皮膚色素沈着、味覚異常も認めることがある。また、蛋白漏出性胃腸症を合併し、栄養不良を呈する。まれに消化管癌の合併も報告されている。\n\n4.治療法 \n副腎皮質ステロイド薬が有効である。蛋白漏出のため低栄養を伴うことが多く、中心静脈栄養を併用する。\n\n5.予後\n  治療が奏効するとポリープは消退することもあるが長期間を要し、まれに癌化例が報告されている。\n\n\n\n○ 要件の判定に必要な事項\n患者数\n約500人\n発病の機構\n不明(強いストレスが発症のきっかけになることがある。)\n効果的な治療方法\n未確立(副腎皮質ステロイド薬が主に用いられる。)\n長期の療養\n必要(ポリポーシスの改善には長期間を要する。)\n診断基準\nあり(研究班作成の診断基準あり。)\n重症度分類\n重症例を対象とする。\nアルブミン値3.0g/dL以下の低アルブミン血症を重症とする。\n\n○ 情報提供元\n「腸管希少難病群の疫学、病態、診断、治療の相同性と相違性から見た包括的研究班」\n研究代表者 北里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター 教授 日比紀文\n\n\n<診断基準>\nDefiniteを対象とする。\n\nクロンカイト・カナダ症候群の診断基準\n\n主要所見        \n1.胃腸管の多発性非腫瘍性ポリポーシスが見られる。とくに胃・大腸のポリポーシスが見られ、非遺伝性である。\n2.慢性下痢を主徴とする消化器症状が見られる。\n3.特徴的皮膚症状(Triad)が見られる。\n  脱毛、爪甲萎縮、皮膚色素沈着\n参考所見\n4.蛋白漏出をともなう低蛋白血症(低アルブミン血症)が見られる。\n5.味覚障害あるいは体重減少・栄養障害が見られる。\n6.内視鏡的特徴: 消化管の無茎性びまん性のポリポーシスを特徴とする。 \n胃では粘膜浮腫をともなう境界不鮮明な隆起\n大腸ではイチゴ状の境界鮮明なポリープ様隆起\n7.組織学的特徴:過誤腫性ポリープ(hamartomatous polyps (juvenile-like polyps)): 粘膜固有層を主座に、腺の囊状拡張、粘膜の浮腫と炎症細胞浸潤をともなう炎症像。介在粘膜にも炎症/浮腫を認める。  \n\n<診断のカテゴリー>\n○主要所見のうち1は診断に必須である。\n○主要所見の3つが揃えばDefiniteとする(1+2+3)。\n○1を含む主要所見が2つあり、4あるいは6+7があればDefiniteとする。(1+2+4)(1+3+4)(1+2+6+7)(1+3+4+6+7)。\n○1があり、上記以外の組み合わせで主要所見や参考所見のうちいくつかの項目が見られた場合は疑診(Possible)とする。\n\n\n\n<重症度分類>\n重症例を対象とする。\n\nアルブミン値3.0g/dL以下の低アルブミン血症を重症とする。\n\n\n\n※診断基準及び重症度分類の適応における留意事項\n1.病名診断に用いる臨床症状、検査所見等に関して、診断基準上に特段の規定がない場合には、いずれの時期のものを用いても差し支えない(ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状等であって、確認可能なものに限る。)。\n2.治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態であって、直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。\n3.なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要なものについては、医療費助成の対象とする。"}