@Toyofumi Fujiwara:00015 JSONTXT

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{"target":"http://pubannotation.org/docs/sourcedb/@Toyofumi%20Fujiwara/sourceid/00015","sourcedb":"@Toyofumi Fujiwara","sourceid":"00015","text":"15 封入体筋炎\n○ 概要\n\n1.概要 \n 臨床的には中高年以降に緩徐進行性の経過で四肢、特に大腿部や手指・手首屈筋を侵し、副腎皮質ステロイドによる効果はないか、あっても一時的である。筋への炎症性細胞浸潤、特に非壊死線維への浸潤が特徴とされる。筋線維の縁取り空胞と併せて筋病理学的に診断される。 \n\n2.原因 \n 封入体筋炎という病名が初めて使われたのは1971年である。その後、筋線維内にアミロイドが存在すること、封入体にはアミロイド前駆蛋白やリン酸化タウが証明できることなど、アルツハイマー病との相同性が指摘されるようになっている。蛋白分解経路の異常の病態への関与が示唆される。 \n\n3.症状 \n 初発症状は、下肢とくに立ち上がり動作や階段昇降困難、上肢とくに手指・手首屈筋の筋力低下、嚥下困難である。左右差が目立つ症例も多い。下肢は大腿屈筋群の障害に比して大腿四頭筋の障害が目立つ。四肢の筋力低下や嚥下障害は進行性である。 \n\n4.治療法 \n 現時点で有効な治療法は確立されていない。本症では、副腎皮質ステロイドによる効果はないかあっても一時的で、副作用による悪化を認める場合があるため、大量の副腎皮質ステロイドを長期に渡って使用することを避けるべきである。免疫グロブリン大量療法の報告があるが、有効性は限られる。 \n\n5.予後\n 他の免疫疾患合併の報告はあるが、悪性腫瘍の合併については皮膚筋炎や多発性筋炎のような関連はないと考えられている。多くの症例では、四肢・体幹筋の筋力低下や嚥下障害の進行により、寝たきりとなり、最終的には肺炎などにより死亡する。 \n\n○ 要件の判定に必要な事項\n1.患者数\n  1,000人(研究班による)\n2.発病の機構\n  不明(炎症性機序に加え蛋白分解経路の異常の関与などが示唆される。)\n3.効果的な治療方法\n未確立(根本的治療法なし。)\n4.長期の療養\n  必要(多くの症例では四肢・体幹筋の筋力低下や嚥下障害の進行により、寝たきりとなる。)\n5.診断基準\nあり(研究班の診断基準等あり。)\n6.重症度分類\nBarthel Indexを用いて、85点以下を対象とする。\n\n○ 情報提供元\n「希少難治性筋疾患に関する調査研究班」\n研究代表者 東北大学大学院医学系研究科神経内科学 教授 青木正志\n「エビデンスに基づく神経免疫疾患の早期診断基準・重症度分類・治療アルゴリズムの確立研究班」\n研究代表者 金沢医科大学医学部神経内科学 教授 松井真\n\n\n\n<診断基準>\nDefinite、Probableを対象とする。\n●診断に有用な特徴\nA.臨床的特徴\na.他の部位に比して大腿四頭筋又は手指屈筋(特に深指屈筋)が侵される進行性の筋力低下及び筋萎縮\nb.筋力低下は数か月以上の経過で緩徐に進行する。\n*多くは発症後5年前後で日常生活に支障を来す。数週間で歩行不能などの急性の経過はとらない。\nc.発症年齢は40歳以上\nd.安静時の血清CK値は2,000 IU/Lを越えない。\n\n(以下は参考所見)\n・嚥下障害が見られる。\n・針筋電図では随意収縮時の早期動員(急速動員)、線維自発電位/陽性鋭波/(複合反復放電)の存在などの筋原性変化 \n(注:高振幅長持続時間多相性の神経原性を思わせる運動単位電位が高頻度に見られることに注意) \n\nB.筋生検所見\n筋内鞘への単核球浸潤を伴っており、かつ以下の所見を認める。\na.縁取り空胞を伴う筋線維\nb.非壊死線維への単核球の侵入や単核球による包囲\n(以下は参考所見)\n・筋線維の壊死・再生\n・免疫染色が可能なら非壊死線維への単核細胞浸潤は主にCD8陽性T細胞\n・形態学的に正常な筋線維におけるMHC class I発現\n・筋線維内のユビキチン陽性封入体とアミロイド沈着\n・COX染色陰性の筋線維:年齢に比して高頻度\n・(電子顕微鏡にて)核や細胞質における16~20nmのフィラメント状封入体の存在\n\n\n●合併しうる病態\nHIV、HTLV-I、C型肝炎ウイルス感染症\n\n●除外すべき疾患\n・縁取り空胞を伴う筋疾患*(眼咽頭型筋ジストロフィー・縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー・多発性筋炎を含む。)\n・他の炎症性筋疾患(多発性筋炎・皮膚筋炎)\n・筋萎縮性側索硬化症などの運動ニューロン病\n* 筋原線維性ミオパチー(FHL1、Desmin、Filamin-C、Myotilin、BAG3、ZASP、Plectin変異例)やベッカー型筋ジストロフィーも縁取り空胞が出現しうるので、鑑別として念頭に入れる。特に、家族性の場合は検討を要する。\n\n●診断カテゴリー:診断には筋生検の施行が必須である。\nDefinite:Aのa~dおよびBのa、bの全てを満たすもの\nProbable:Aのa~dおよびBのa、bのうち、いずれか5項目を満たすもの\nPossible:Aのa~dのみ満たすもの(筋生検でBのa、bのいずれも見られないもの)\n\n\n<重症度分類>\n機能的評価:Barthel Index\n85点以下を対象とする。。\n\u003ctable\u003e\n    質問内容 点数 \n\n1 食事 自立、自助具などの装着可、標準的時間内に食べ終える 10 \n\n1 食事 部分介助(例えば、おかずを切って細かくしてもらう) 5 \n\n1 食事 全介助 0 \n\n2 車椅子からベッドへの移動 自立、ブレーキ、フットレストの操作も含む(歩行自立も含む) 15 \n\n2 車椅子からベッドへの移動 軽度の部分介助又は監視を要する 10 \n\n2 車椅子からベッドへの移動 座ることは可能であるがほぼ全介助 5 \n\n2 車椅子からベッドへの移動 全介助又は不可能 0 \n\n3 整容 自立(洗面、整髪、歯磨き、ひげ剃り) 5 \n\n3 整容 部分介助または不可能 0 \n\n4 トイレ動作 自立(衣服の操作、後始末を含む、ポータブル便器などを使用している場合はその洗浄も含む) 10 \n\n4 トイレ動作 部分介助、体を支える、衣服、後始末に介助を要する 5 \n\n4 トイレ動作 全介助又は不可能 0 \n\n5 入浴 自立 5 \n\n5 入浴 部分介助又は不可能 0 \n\n6 歩行 45m以上の歩行、補装具(車椅子、歩行器は除く)の使用の有無は問わず 15 \n\n6 歩行 45m以上の介助歩行、歩行器の使用を含む 10 \n\n6 歩行 歩行不能の場合、車椅子にて45m以上の操作可能 5 \n\n6 歩行 上記以外 0 \n\n7 階段昇降 自立、手すりなどの使用の有無は問わない 10 \n\n7 階段昇降 介助又は監視を要する 5 \n\n7 階段昇降 不能 0 \n\n8 着替え 自立、靴、ファスナー、装具の着脱を含む 10 \n\n8 着替え 部分介助、標準的な時間内、半分以上は自分で行える 5 \n\n8 着替え 上記以外 0 \n\n9 排便コントロール 失禁なし、浣腸、坐薬の取扱いも可能 10 \n\n9 排便コントロール ときに失禁あり、浣腸、坐薬の取扱いに介助を要する者も含む 5 \n\n9 排便コントロール 上記以外 0 \n\n10 排尿コントロール 失禁なし、収尿器の取扱いも可能 10 \n\n10 排尿コントロール ときに失禁あり、収尿器の取扱いに介助を要する者も含む 5 \n\n10 排尿コントロール 上記以外 0 \n\n\u003c/table\u003e\n\n\n\n※診断基準及び重症度分類の適応における留意事項\n1.病名診断に用いる臨床症状、検査所見等に関して、診断基準上に特段の規定がない場合には、いずれの時期のものを用いても差し支えない(ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状等であって、確認可能なものに限る。)。\n2.治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態であって、直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。\n3.なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要なものについては、医療費助成の対象とする。","tracks":[{"project":"Nanbyo-330-20171127","denotations":[{"id":"T1","span":{"begin":6,"end":8},"obj":" 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