@Toyofumi Fujiwara:00005 JSONTXT

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    Nanbyo-330-20171127

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40歳以降、平均60歳代で発症する。最大の特徴は、初期からよく転ぶことである。著明な姿勢の不安定さに加え、注意力や危険に対する認知力が低下するため、何度注意を促してもその場になると転倒を繰り返す。バランスを失った時に上肢で防御するという反応が起きないため、顔面直撃による外傷を負うことが多い。周囲に置いてあるものに手が伸び、つかもうとして、車椅子あるいはベッドから転落することがあり、長期にわたり介護上の大きな問題である。\n 注視麻痺は本症の特徴であるが、発症初期には認められないことが多い。下方視の障害が特徴で、発症3年程度で出現し、その後水平方向も障害される。筋強剛は四肢よりも頚部や体幹に強い。初期には頚部、四肢ともに全く筋強剛を認めず、むしろ筋トーヌスが低下していることがある。初期には姿勢がよく、頚部から下はまっすぐである場合が多い。一見無動にみえる患者が突然立ち上がったり、突発的な行動を起こすことがあるので注意が必要である。進行すると頚部が後屈する。\n 認知症を合併するが程度は軽く、見当識障害や記銘力障害はあっても軽い。本疾患の認知症の本質は前頭葉の障害によるもので、把握反射、視覚性探索反応、模倣行動、使用行動などの前頭葉徴候が初期から出現する。動作の開始障害(無動、無言)、終了の障害(保続)などもよくみられる。\n 様々な言語障害を合併する。嚥下障害は中期以降に出現することが多いが、早期に嚥下障害ある場合は生命予後が不良である。\n\n4.治療法 \n 治療としては、初期にはL-dopaが効く場合があるが、効果は長続きしない場合が多い。少量の抗コリン薬は無動に有効な場合が多いが、量が多いと突発的な行動が増えるので注意が必要である。抗うつ薬である塩酸アミトリプチリン、コハク酸タンドスピロンが奏功する場合もある。頚部・体幹のストレッチ運動、バランス訓練、言語訓練、嚥下訓練などのリハビリテーションを併用する。\n\n5.予後\n ADL低下の進行は速く、我が国の剖検例の検討では車椅子が必要となるのに2~3年、臥床状態になるのに4~5年であった。平均罹病期間は5~9年という報告が多い。参考事項にあるパーキンソン病型や純粋無動症型は経過が緩徐で、罹病期間が10年以上であることも少なくない。死因は肺炎、喀痰による窒息などが多い。\n \n○ 要件の判定に必要な事項\n1.患者数(平成24年度医療受給者証保持者数から推計)\n約8,100人\n2.発病の機構\n不明\n3.効果的な治療方法\n未確立(根治的治療なし。)\n4.長期の療養\n必要(徐々にADL低下)\n5.診断基準\nあり(現行の特定疾患治療研究事業の診断基準を研究班にて改訂)\n6.重症度分類\nmodified Rankin Scale(mRS)、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれか\nが3以上を対象とする。\n\n○ 情報提供元\n「神経変性疾患領域における基盤的調査研究班」\n研究代表者 国立病院機構松江医療センター 院長 中島健二\n\n\n\n<診断基準>\n\n1.主要項目 \n(1)40歳以降で発症することが多く、また緩徐進行性である。 \n(2)主要症候 \n①垂直性核上性眼球運動障害(初期には垂直性衝動性眼球運動の緩徐化であるが、進行するにつれ上下方向への注視麻痺が顕著になってくる。) \n②発症早期(おおむね1~2年以内)から姿勢の不安定さや易転倒性(すくみ足、立直り反射障害、突進現象)が目立つ。 \n③無動あるいは筋強剛があり、四肢末梢よりも体幹部や頸部に目立つ。 \n(3) 除外項目 \n①レボドパが著効(パーキンソン病の除外) \n②初期から高度の自律神経障害の存在(多系統萎縮症の除外) \n③顕著な多発ニューロパチー(末梢神経障害による運動障害や眼球運動障害の除外) \n④肢節運動失行、皮質性感覚障害、他人の手徴候、神経症状の著しい左右差の存在(大脳皮質基底核変性症の除外) \n⑤脳血管障害、脳炎、外傷など明らかな原因による疾患 \n(4) 診断のカテゴリー \n次の3条件を満たすものを進行性核上性麻痺と診断する。 \n①(1)を満たす。 \n②(2)の2項目以上がある。 \n③(3)を満たす(他の疾患を除外できる。)。 \n \n2.参考事項 \n 進行性核上性麻痺は、核上性注視障害、姿勢反射障害による易転側性が目立つパーキンソニズム及び認知症を主症状とする慢性進行性の神経変性疾患である。神経病理学的には、中脳と大脳基底核に萎縮、神経細胞脱落、神経原線維変化、グリア細胞内封入体が出現する。 \n 初発症状はパーキンソン病に似るが、安静時振戦はまれで、歩行時の易転倒性、すくみ足、姿勢反射障害が目立つ。進行するにつれて、頸部の後屈と反り返った姿勢、垂直性核上性眼球運動障害(初期には眼球運動の随意的上下方向運動が遅くなり、ついには下方視ができなくなる)、構音障害や嚥下障害、想起障害と思考の緩慢を特徴とする認知症や注意力低下が出現する。徐々に歩行不能、立位保持不能となって、寝たきりになる。\n その他の症候として、進行性の構音障害や嚥下障害、前頭葉性の進行性認知障害(思考の緩慢化、想起障害、意欲低下などを特徴とする。)もみられる。 \n 画像所見(CTあるいはMRI)として、進行例では、中脳被蓋部の萎縮、脳幹部の萎縮、第三脳室の拡大を認めることが多い。 \n 抗パーキンソン病薬への反応は不良である。一時的に抗うつ薬やドロキシドパで症状が改善することがある。 \n 非定型例として「パーキンソン病型」、「純粋無動症」、「小脳型」と呼ばれる病型がある。「パーキンソン病型」では、パーキンソン病に似て、左右差が明らかで初期にはレボドパが中等度有効である。「純粋無動症型」は、言葉あるいは歩行のすくみを主徴とし、筋強剛や振戦を欠く。眼球運動障害は、末期になるまで出現しないことが多い。「小脳型」は、初期に小脳性運動失調が明らかである。\n\n\n<重症度分類> \nmodified Rankin Scale(mRS)、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれか\nが3以上を対象とする。\n\n\u003ctable\u003e\n日本版modified Rankin Scale(mRS)判定基準書 日本版modified Rankin Scale(mRS)判定基準書 日本版modified Rankin Scale(mRS)判定基準書 \n\nmodified Rankin Scale modified Rankin Scale 参考にすべき点 \n\n0 全く症候がない 自覚症状及び他覚徴候が共にない状態である \n\n1 症候はあっても明らかな障害はない: 日常の勤めや活動は行える 自覚症状及び他覚徴候はあるが、発症以前から行っていた仕事や活動に制限はない状態である \n\n2 軽度の障害: 発症以前の活動が全て行えるわけではないが、自分の身の回りのことは介助なしに行える 発症以前から行っていた仕事や活動に制限はあるが、日常生活は自立している状態である \n\n3 中等度の障害: 何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える 買い物や公共交通機関を利用した外出などには介助を必要とするが、通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を必要としない状態である \n\n4 中等度から重度の障害: 歩行や身体的要求には介助が必要である 通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を必要とするが、持続的な介護は必要としない状態である \n\n5 重度の障害: 寝たきり、失禁状態、常に介護と見守りを必要とする 常に誰かの介助を必要とする状態である \n\n6 死亡 死亡 \n\n\u003c/table\u003e\n\n日本脳卒中学会版\n\n食事・栄養(N)\n0.症候なし。\n1.時にむせる、食事動作がぎこちないなどの症候があるが、社会生活・日常生活に支障ない。\n2.食物形態の工夫や、食事時の道具の工夫を必要とする。\n3.食事・栄養摂取に何らかの介助を要する。\n4.補助的な非経口的栄養摂取(経管栄養、中心静脈栄養など)を必要とする。\n5.全面的に非経口的栄養摂取に依存している。\n\n\n呼吸(R)\n0.症候なし。\n1.肺活量の低下などの所見はあるが、社会生活・日常生活に支障ない。\n2.呼吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある。\n3.呼吸症状が睡眠の妨げになる、あるいは着替えなどの日常生活動作で息切れが生じる。\n4.喀痰の吸引あるいは間欠的な換気補助装置使用が必要。\n5.気管切開あるいは継続的な換気補助装置使用が必要。\n\n\n※診断基準及び重症度分類の適応における留意事項\n1.病名診断に用いる臨床症状、検査所見等に関して、診断基準上に特段の規定がない場合には、いずれの時期のものを用いても差し支えない(ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状等であって、確認可能なものに限る。)。\n2.治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態であって、直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。\n3.なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要なものについては、医療費助成の対象とする。"}