背景: Sarcoptes scabieiが引き起こす、野生アライグマ( Nyctereutes procyonoides )の疥癬は、重大な罹患率および死亡率を伴い、重度皮膚病変を引き起こす広範な人獣共通感染症である。 フルララネルは、イソキサゾリン化学クラスの一つであり、犬(Canis lupus familiaris)のノミ、マダニおよびダニ感染に広く使用されているダニ駆除剤および殺虫剤である。 目的: 本研究の目的は、疥癬に自然感染した野生アライグマにおける経口投与フルララネルの臨床的有効性を評価することである。 被験動物: 2017年11月から2018年4月の間に、ソウル野生動物センターで保護された6匹のアライグマ。 材料と方法: アライグマをチュアブルフルララネル錠により単回投与で治療した。治療効果を評価するため、臨床病変スコアリングおよび皮膚の浅い搔爬試験を3週間にわたって毎週実施した。全身的な健康状態を毎日評価し、反応をモニターし、あらゆる薬物有害反応を観察した。 結果: 治療後7日以内に、皮膚病変の顕著な減少を観察し、ダニはもはや皮膚の浅い搔爬試験では存在しなかった。再寄生の証拠はなく、追加の薬物投与を必要としなかった。 結論と臨床上の重要性: 本研究は少数の動物を対象とした非ランダム化非対照試験であるが、フルララネルがアライグマの疥癬治療に適している可能性を示した。.