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4.サイクリックホスファチジン酸は新生内膜の形成を抑制する
4.サイクリックホスファチジン酸は新生内膜の形成を抑制する
 サイクリックホスファチジン酸は,ホスホリパーゼD2によりインスリンなどの刺激に対して依存的に生合成されることが明らかになった.すなわち,サイクリックホスファチジン酸はセカンドメッセンジャーとしてのはたらきをもつことが予想された.Tigyiらは,アルキルグリセロールリン酸が新生内膜の形成をPPARγの活性化に依存的に促進させることを報告していた6).そこで,サイクリックホスファチジン酸が新生内膜の形成を抑制するのではないかと考え,ラット頸動脈内皮モデルを利用した実験を試みた.頸動脈内皮をロシグリタゾンまたはアルキルグリセロールリン酸で処理すると強い新生内膜の形成が認められたが,サイクリックホスファチジン酸で共処理することにより新生内膜の形成は顕著に抑制された.さらに,頸動脈内皮に対して低濃度のインスリン(3 nM)にて処理すると,アルキルグリセロールリン酸による新生内膜形成の促進が有意に抑制された.Breenらは,低濃度インスリン処理により新生内膜の形成が抑制されることを報告しており9),その分子機構にサイクリックホスファチジン酸が関与している可能も予想される.以上の結果から,インスリン刺激によるホスホリパーゼD2の活性化とそれにつづくサイクリックホスファチジン酸の合成によりPPARγの活性化が抑制されたことにより,新生内膜の形成も抑制されたものと考えられた.

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