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2.Hタンパク質とSLAMとの複合体の構造
2.Hタンパク質とSLAMとの複合体の構造
 麻疹ウイルスHタンパク質は6組のβシートが円を描くように配置されたβプロペラ構造を示す.同様の骨格をもつインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼやほかのパラミクソウイルスの受容体結合タンパク質ではβプロペラ構造の上部中央でリガンドや受容体と相互作用するのに対して,Hタンパク質はその上部中央には自らのN-結合型糖鎖が入り込んでいてリガンドの近づきにくい構造をしており,βプロペラ構造の側面でSLAMと結合することが明らかになった(図2).Hタンパク質およびSLAMの変異体の機能解析から,両者の結合に重要であろうと報告されていたアミノ酸残基のほとんどが実際の結合にかかわっていることが構造的に確認された.Hタンパク質との結合にかかわっているSLAMのアミノ酸残基は,1残基を除きそのすべてがヒトSLAMとマーモセットSLAMとのあいだで保存されていた.また,SLAMは免疫系細胞では自らをリガンドとするホモ二量体を形成するが,SLAM-SLAMの相互作用面とHタンパク質-SLAMの相互作用面はほぼ重なり合っていることがわかった.しかし,Hタンパク質とSLAMとの結合力のほうがSLAMどうしの結合力より100倍以上も強く,麻疹ウイルスの感染時にはHタンパク質が優位にSLAMと結合できることが示唆された.今回,Hタンパク質とSLAMとの複合体の構造が明らかになったのでSLAM結合の前後のHタンパク質の構造比較が可能になった.その結果,SLAMとの結合ののちHタンパク質には大きな構造変化や二量体のあいだの配向の変化は確認できなかった.しかし,予期せぬことに,のちに述べるように2種類の四量体構造が観察された.

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