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7.ATACアセチルトランスフェラーゼ複合体はJraの共役転写因子として機能しJra遺伝子において上流のMAPキナーゼと協調する
7.ATACアセチルトランスフェラーゼ複合体はJraの共役転写因子として機能しJra遺伝子において上流のMAPキナーゼと協調する
 つぎに,ATACアセチルトランスフェラーゼ複合体ノックダウン細胞,あるいは,MSNノックダウン細胞において,JNK標的遺伝子におけるATACアセチルトランスフェラーゼ複合体とMAPキナーゼの局在を,クロマチン免疫沈降(chromatin immunoprecipitation:ChIP)アッセイにより調べた.c-Jun遺伝子プロモーターはAP-1様配列とNF-jun結合配列を含み,c-Junは外的刺激に非依存的にc-Jun遺伝子と結合する7,8).実際,JraはJra遺伝子コーディング領域の中央のNF-jun結合配列を含む領域に顕著に局在した.つぎに,ATACアセチルトランスフェラーゼ複合体の局在を,JNK標的遺伝子のエンハンサー領域,AP-1結合領域,5’末端側コーディング領域,コーディング領域中央のNF-jun結合配列を含む領域,コーディング領域下流の領域において調べた.浸透圧ストレス無刺激下でAtac2はエンハンサー領域およびプロモーター領域に局在し,これらの領域のヒストンH4の16番目のリジン残基のアセチル化に必須であった1).浸透圧ストレス刺激下ではプロモーター領域へのAtac2の局在とヒストンH4の16番目のリジン残基のアセチル化は無刺激下と同様であったが,エンハンサー領域でのATACアセチルトランスフェラーゼ複合体の局在とヒストンH4の16番目のリジン残基のアセチル化レベルが低下し,代わって,Jra結合領域で局在が増加していた.Jraの局在は浸透圧ストレス無刺激下ではAtac2,CG10238,および,MSNに顕著に依存していたが,ストレス刺激下ではCG10238への優位な依存性を示した.
 さらに,ChIPアッセイの結果はATACアセチルトランスフェラーゼ複合体と活性型JNK,活性型MKK4,MSNなど上流MAPキナーゼとの相互関係を明らかにした.プロモーター領域におけるヒストンH4の16番目のリジン残基のアセチル化は,浸透圧ストレス無刺激下ではMSNに非依存性であるが,浸透圧ストレス刺激下ではMSNに抑制され,コーディング領域での最大のアセチル化をもたらした.浸透圧ストレス無刺激下でのエンハンサー領域,プロモーター領域,コーディング領域下流への活性型JNKの局在にはAtac2を要し,MSNには抑制され,一方,浸透圧ストレス刺激下でのコーディング領域への結合にはATACアセチルトランスフェラーゼ複合体とMSNとの両者を要した.活性型MKK4のエンハンサー領域への結合は浸透圧ストレス無刺激下でAtac2およびMSNにより抑制されていたが,浸透圧ストレス刺激下ではとくにCG10238とMSNとを必要とした.MSNのプロモーター領域への結合は浸透圧ストレス無刺激下でATACアセチルトランスフェラーゼ複合体により抑制されたが,浸透圧ストレス刺激下においてはATACアセチルトランスフェラーゼ複合体の存在にかかわらずコーディング領域に結合した.このように,上流MAPキナーゼは浸透圧ストレス刺激により,Atac2と同様,顕著にJra結合領域を含むコーディング領域に集結した.FOSL1遺伝子におけるヒストンH3の10番目のセリン残基のリン酸化は,MOFによるエンハンサー領域のヒストンH4の16番目のリジン残基のアセチル化のきっかけとなる9).しかし,浸透圧ストレス無刺激下でのATACアセチルトランスフェラーゼ複合体によるJra遺伝子エンハンサー領域でのヒストンH4の16番目のリジン残基のアセチル化は,MOFによるアセチル化とは異なり,ヒストンH3の10番目のセリン残基のリン酸化とは独立していた(図1).

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