@Toyofumi Fujiwara:00006 JSONTXT

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    Nanbyo-330-20171127

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\nパーキンソン病は、黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患である。4大症状として(1)安静時振戦、(2)筋強剛(筋固縮)、(3)無動・寡動、(4)姿勢反射障害を特徴とする。このほか(5)同時に2つの動作をする能力の低下、(6)自由にリズムを作る能力の低下を加えると、ほとんどの運動症状を説明することができる。近年では運動症状のみならず、精神症状などの非運動症状も注目されている。発症年齢は50~65歳に多いが、高齢になるほど発病率が増加する。40歳以下で発症するものは若年性パーキンソン病と呼ばれる。この中には遺伝子異常が明らかにされた症例も含まれる。\n\n2.原因 \n現段階では不明であるが、いくつかの仮説が提唱されている。また、家族性パーキンソニズムの原因となる遺伝子異常が関与することや、環境因子が影響することも明らかとなっている。\n\n3.症状 \n運動症状として、初発症状は振戦が最も多く、次に動作の拙劣さが続く。中には痛みで発症する症例もあり、五十肩だと思って治療していたが良くならず、そのうち振戦が出現して診断がつくこともまれでない。しかし、姿勢反射障害やすくみ足で発症することはない。症状の左右差があることが多い。\n動作は全般的に遅く拙劣となるが、椅子からの起立時やベッド上での体位変換時に目立つことが多い。表情は変化に乏しく(仮面様顔貌)、言葉は単調で低くなり、なにげない自然な動作が減少する。歩行は前傾前屈姿勢で、前後にも横方向にも歩幅が狭く、歩行速度は遅くなる。進行例では、歩行時に足が地面に張り付いて離れなくなり、いわゆるすくみ足が見られる。方向転換するときや狭い場所を通過するときに障害が目立つ。 \nパーキンソン病では上記の運動症状に加えて、意欲の低下、認知機能障害、幻視、幻覚、妄想などの多彩な非運動症状が認められる。 このほか睡眠障害(昼間の過眠、REM睡眠行動異常など)、自律神経障害(便秘、頻尿、発汗異常、起立性低血圧)、嗅覚の低下、痛みやしびれ、浮腫など様々な症状を伴うことが知られるようになり、パーキンソン病は単に錐体外路疾患ではなく、パーキンソン複合病態として認識すべきとの考えが提唱されている。\n\n4.治療法 \n病勢の進行そのものを止める治療法は現在までのところ開発されていない。全ての治療は対症療法であるので、症状の程度によって適切な薬物療法や手術療法を選択する。\n(1)薬物療法\n現在大きく分けて8グループの治療薬が使われている。それぞれに特徴があり、必要に応じて組み合わせて服薬する。パーキンソン病治療の基本薬はL-dopaとドパミンアゴニストである。早期にはどちらも有効であるが、L-dopaによる運動合併症が起こりやすい若年者は、ドパミンアゴニストで治療開始すべきである。一方、高齢者(一つの目安として70~75歳以上)及び認知症を合併している患者は、ドパミンアゴニストによって幻覚・妄想が誘発されやすく、運動合併症の発現は若年者ほど多くないのでL-dopaで治療開始して良い。症状の出現の程度、治療効果、副作用などに応じて薬剤の選択を考慮する。\n(2)手術療法\n手術は定位脳手術によって行われる。定位脳手術とは頭蓋骨に固定したフレームと、脳深部の目評点の位置関係を三次元化して、外から見ることのできない脳深部の目標点に正確に到達する技術である。手術療法も症状を緩和する対症療法であって、病勢の進行そのものを止める治療法ではないが、服薬とは異なり持続的に治療効果を発現させることができる。\n\n5.予後\nパーキンソン病自体は進行性の疾患である。患者によって進行の速さはそれぞれであるが、一般的に振戦が主症状だと進行は遅く、動作緩慢が主症状だと進行が速い。適切な治療を行えば、通常発症後10年程度は普通の生活が可能である。それ以後は個人差があり、介助が必要になることもある。しかし、生命予後は決して悪くなく、平均余命は一般より2~3年短いだけである。高齢者では、脱水、栄養障害、悪性症候群に陥りやすいので注意する。生命予後は臥床生活となってからの合併症に左右され、誤嚥性肺炎などの感染症が直接死因になることが多い。\n \n○ 要件の判定に必要な事項\n1.患者数(平成24年度医療受給者証保持者数から推計)\n   約108,800人(パーキンソン病関連疾患から推計)\n2.発病の機構\n  不明\n3.効果的な治療方法\n未確立(根治的治療なし。)\n4.長期の療養\n  必要(進行性に増悪する。)\n5.診断基準\nあり(現行の特定疾患治療研究事業の診断基準を研究班にて改訂)\n6.重症度分類\n    Hoehn-Yahr重症度分類3度以上かつ生活機能障害度2度以上を対象とする\n\n○ 情報提供元\n「神経変性疾患領域における基盤的調査研究班」\n研究代表者 国立病院機構松江医療センター 院長 中島健二\n\n\n\n<診断基準>\n以下の診断基準を満たすものを対象とする。(Probableは対象としない。)\n1.パーキンソニズムがある。※1\n2.脳CT又はMRIに特異的異常がない。※2\n3.パーキンソニズムを起こす薬物・毒物への曝露がない。\n4.抗パーキンソン病薬にてパーキンソニズムに改善がみられる。※3\n以上4項目を満たした場合、パーキンソン病と診断する(Definite)。\n\nなお、1、2、3は満たすが、薬物反応を未検討の症例は、パーキンソン病疑い症例(Probable)とする。\n\n※1.パーキンソニズムの定義は、次のいずれかに該当する場合とする。\n(1)典型的な左右差のある安静時振戦(4~6Hz)がある。\n(2)歯車様強剛、動作緩慢、姿勢反射障害のうち2つ以上が存在する。\n※2.脳CT又はMRIにおける特異的異常とは、多発脳梗塞、被殻萎縮、脳幹萎縮、著明な脳室拡大、著明な大脳萎縮など他の原因によるパーキンソニズムであることを明らかに示す所見の存在をいう。\n※3.薬物に対する反応はできるだけドパミン受容体刺激薬またはL-dopa 製剤により判定することが望ましい。\n\n\n<重症度分類>\n\nHoehn-Yahr重症度分類3度以上かつ生活機能障害度2度以上を対象とする。\n\nHoehn-Yahr重症度分類\n\u003ctable\u003e\n0度  パーキンソニズムなし 1度  一側性パーキンソニズム 2度  両側性パーキンソニズム 3度  軽~中等度パーキンソニズム。姿勢反射障害あり。日常生活に介助不要 4度  高度障害を示すが、歩行は介助なしにどうにか可能 5度  介助なしにはベッド又は車椅子生活 \n\n\u003c/table\u003e\n\n生活機能障害度\n\u003ctable\u003e\n1度  日常生活、通院にほとんど介助を要しない。 2度  日常生活、通院に部分的介助を要する。 3度  日常生活に全面的介助を要し、独立では歩行起立不能。 \n\n\u003c/table\u003e\n\n\n\n※診断基準及び重症度分類の適応における留意事項\n1.病名診断に用いる臨床症状、検査所見等に関して、診断基準上に特段の規定がない場合には、いずれの時期のものを用いても差し支えない(ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状等であって、確認可能なものに限る。)。\n2.治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態であって、直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。\n3.なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要なものについては、医療費助成の対象とする。"}